第2回目のコラムでは、具体的な仕事の内容や時間の管理術とともに、IT業界で働く女性のエンパワーメントという視点からのお話を、ライターのGoroが、ザ・プラントのプロジェクトマネージャーを担当している日原佳奈さんと、アカウントマネージャーを担当している、コドニェ・ビアンカさんに伺いました。お二人とも、グローバル企業のECサイトの構築案件に従事しています。
ザ・プラントのアンバサダーとして活躍している佳奈さん(左)とビアンカさん(右)
Goro:
まずお二人の仕事の内容と、日々どんなスケジュールで仕事をされているのかをお聞きしたいと思います。IT業界で働きたいと思っている、多くの皆さんが興味を持たれている質問だと思います。
Kana:
はい、実は朝は少し遅めでして..。朝イチでミーティングが入っていない時は、ギリギリの10時近くになって起きる時もあります(笑)。また朝早く起きた時はまずジムに行って、その後、朝食を食べながらメールをチェックしています。基本的には10時に仕事を開始します。
仕事の内容は多岐にわたっており、例えばクライアントからの相談やミーティング、進行している案件のスケジュール管理、新規案件(BizDev)の打ち合わせや、日本語から英語への翻訳業務などもしています。リモートワークなのでランチは自炊をしています。たまに昼休みの息抜きに、ボクシングジムに通うこともありますよ。グローバルクライアントとの時差のため、午後9時にミーティングが入ることもありますが、通常は7時には仕事を終えています。実は私は仕事以外にも色々な活動をしていて夜寝るのが遅く、夜中の2時から4時の間ぐらいに就寝というパターンが多いですね(笑)。
Bianca:
私は、夏と冬では若干時間帯が変わるのですが、大体7時半から8時の間に起床というパターンが多いですね。朝ご飯を食べながら映画を観ています。その後10時から仕事を始めます。まずはSlackやメールをチェックすることから始めます。実は前日の夜に「To Doリスト」を作っていまして、それを朝から一つ一つこなしていきます。やりたくない作業や苦手な分野はその日の最後にやることが多いですね(笑)。
日常の業務では、クライアント企業との対話が特に大切です。なのでミーティングを通じたコミュニケーションが多くなりますね。具体的な業務としては、企画書を作成してクライアントへ提案をしたり、業務や料金をまとめたりと多岐にわたります。また当社のプロダクトチームと技術的な面で相談をしたり、また逆に相談を受けたりも。さらに、新規開拓に関する事業提案なども重要な仕事ですね。
あと、同時に息抜きをすることも大切です。昼休みには、朝観た映画の残りを鑑賞したりしています。午後7時頃には仕事を終え、夜は0時から2時の間に就寝というパターンが多いです。
Goro:
お二人とも就寝時間が遅めなのですね(笑)。それでは仕事において何か工夫していることや、何かチャレンジしていることがあれば教えてください。
Bianca:
はい。仕事が多岐にわたっており、やることもバラバラだったりするので、頭の中で「スイッチオフ」することを心がけています。これはIT業界で働く方、働いてみたい方へのアドバイスでもあるのですが、時間を仕切って、決めた時間帯に一つのことへ集中していくことが大切だと思っているんです。例えば新しい企画のプランニングをしている時に、他の色々な内容のチャットやメールが入ってくると本来の仕事に集中することができませんよね。色々気を取られてしまうと、To Doリストが予定通りに終わらなくなってしまいますので、時間のマネジメントには特にこだわっています。
Kana:
私は工夫というよりもチャレンジ系なのですが、渉外活動(ピッチ)への積極的な参画を心がけています。私の第一言語は英語なので、ネイティブの英語ではなく日本語でプレゼン資料を作り、台本なしでプレゼンテーションを行うというのが、今私が頑張っていることです。先日は17社とのピッチコンテストがあり、全て日本語でプレゼンをこなしました。
Goro:
なるほど。そういった工夫やチャレンジが、お二人の活躍の場を広げたり、仕事のクオリティを向上させたりしているのですね。
それでは本日の本題に入りたいと思います。「IT業界で働く女性のエンパワーメント」というのが本日のトピックなのですが、IT業界で働く女性という視点から何か意見したいことはありますか?
Kana:
ザ・プラントに関しては、女性リーダーもおり、男女差というのは全くないですね。
Bianca:
もちろんIT業界全体ではありませんが、メディアがよく伝えるような、女性が活躍する職場イメージというのは、砂上の楼閣的な面(バブル)もあると思います。組織は結局は人が作るものなので、男女関係なく人間性そのものが大切だと感じますね。
Goro:
とても興味深い視点ですね。具体的にはどんな考えですか?
Bianca:
女性であることはアイデンティティの一部ではありますが、数ある中のたった一つの特徴によって何かが制限されたり、とらわれるべきではないと私は思っています。実際、仕事の成果を判断する材料にはなりにくいですよね。もし差別があるとすればそれを指摘することは大切なことですし、男女間の不平等に対する意識を高めることは、残念ながら世の中では必要なことです。しかし女性のエンパワーメントという視点で言うならば、IT業界はこのような課題を乗り越えていくことができると思います。
ITは比較的新しい業界であると同時に、既に社会の重要なインフラの一部ですので、新しい価値観やルールを作りやすい状況にありますし、今まさにそれらを作っている最中です。業界的にも比較的新しい企業が多いですし、とにかくスピードが大切です。よって結果にコミットメントする、またしなければならない企業が多いため、男女など関係なく人材を採用しています。なので結果的に、女性が活躍する場を作りやすいといった側面があると思いますね。
また特に日本のIT業界は人材不足なので、男女という枠組み自体あまり意味をなさないものかもしれません。それよりも、個人が仕事やチームに何をもたらすことができるのかが重要なのです。これは私たちにとってチャンスでもありますね。
Kana:
業界全体を見渡すと、やはり男性が多いですよね。自身の職務に興味のある女性にとっては、男性が多い環境だとちょっと怯んでしまう場面があることも事実だと思います。でも、ジェンダーにとらわれることなく、やりたい仕事をやった方が絶対的によいと思います。ですので、女性であろうと男性であろうと自信を持ってチャレンジしていってほしいですね。
あと日本社会でも、身体の不調の際や病院の健診など、女性就業者への法的なサポートがもう少し整備されると嬉しいのですが、その状況も日々少しずつですが変わってきているのを感じますね。政治にも、企業にも、役職者などリーダーシップの取れる女性がもっと増えれば、私たちの社会は確実に変わっていくと思います。
Bianca:
日本では、例えばインフルエンザにかかって休むことになっても、それが有給扱いになってしまう企業も多いですよね。(もちろんそうではない企業もありますが)例えばフランスでは病気と診断されると、最初の1日は給与明細から差し引かれるのですが、残りの日数は政府が全給与を保証してくれます。その結果、従業員はインフルエンザで休もうが、産休で休もうが、給与が減ることはありません。誰でも病気休暇を取る権利があるのです。
女性の方が休まないとならなくなる状況は多いので、フランスのような確固たる、絶対的な法律ができれば社会のマインドセットも変化し、男女の不公平感も無くなっていくのではないでしょうか。
Kana:
あと日本社会の、女性が男性をフォローするのが当然、というようなカルチャーや風潮も徐々に変わっていくといいですよね。
Goro:
今日は、ウーマン・エンパワーメントに関する貴重なご意見をありがとうございました。大変盛り上がりました。それでは、ザ・プラントのようなIT企業でキャリア構築を目指している方たちへ、何か応援のメッセージをいただけますか?
Bianca:
ITシステムというのは、私たちの日常生活における大切な基盤であり、未来へのチャレンジでもあります。非常にクリエイティブな面があり、何か新しいツールを生み出すチャンスです。そして人と違う意見を積極的に言い合えるのがメリットでもあります。皆と同じ意見だと、新しい「コトやモノ」は作れませんから。なので、女性とか年齢とかは関係なく、ガンガン自分の意見を言えるし、言った方が得です。新しい考え方や価値観を持つ方にはぜひ来てもらいたいですね。
Kana:
IT業界に興味があれば、挑戦してみた方が絶対的によいと思います。いつも何かしら動き、変化が起きている業界なので、何かしら勉強したり得るものがあります。入ってきて損はありません。
そうそう、この業界は「カルチャー・イノベーション」のリーダーだと思うんです。他の業界も、先進的すぎるかもしれないIT業界の文化を参考にしながら、自分達の会社や業界にローカライズして、フィットしたものを取り入れている傾向もありますので、やはりITはファーストペンギンなんだなと思います。
Goro:
それでは最後に、お二人の「モットー」(一言)を教えてください!
Kana:
私は「挑戦」という言葉を大切にしたいです。新しいことにチャレンジしていくことがとても大切だと思うからです。
Bianca:
私は単語ではありませんが、「我慢をしない」ということです。頑張ることはとても大切なことですが、頑張り過ぎてはダメということです。頑張りすぎると冷静さがなくなってしまい周りの環境や状況が見えなくなってしまうので、そのさじ加減が重要だと思っています。
Goro:
お二人とも、今日は大変貴重なお話をありがとうございました!次回の取材もよろしくお願いします。ザ・プラントでは、社員一人ひとりの様ざまな経験が、会社のカルチャーを創っていきます。仕事の管理術とIT業界で働く女性のエンパワーメント、いかがでしたか?
次回のインタビューもどうぞお楽しみに!